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本記事を書く背景
後輩・友人の起業家が増えた
- 経営・事業・プロダクトのアドバイスを求められるようになってきた
時間を効率的に生かす支援をしたい
- 自分も苦労してきたのでできるだけ意味のあるアドバイスをしたい
- 時間は有限・不可逆であり、適切な経営の意思決定を行い続けるのが起業・スタートアップには求められる
- メンターなどいなかったので、過去はブログに書いて整理していた
- エンジニアの先輩はいるがエンジニアから起業した方が少ない
- 投資家含めてCTOの方はいるがビジョンを語り、プロダクトを作ってきたという人がいなかった
- メンターはできるだけ自分の職種に近い方がよく、自分の経験を先にしている人にすること
個人の欲求
- 本記事から思考を巡らせ、事業や企業が成長すると嬉しい
- エグゼクティブコーチングを受けた際に自分の欲求がここにあった
- アドバイスでお金や時間をいただくのは勿体無いので言語化し、伝えたい
- 言語化することで自分の理解度も判断できる
- 学習効率が良い
起業で何を成し遂げたいのか
- なぜ起業したのか
- 起業して何を実現したいのか
- 最終的にはどういう人生を送りたいのか
- その上で継続して取り組める事業は何か
この辺りの基本は整理しておくことをお勧めする。ファイナンスや、採用を進める際には必ず聞かれるポイントである。根拠や芯が言語化されていなかったり、薄いと相手が不安に感じてしまうポイント。整理されていなければコーチングなども含めてやってみると良い。
経営戦略
マーケット選定
- 事業はマーケット選定でほぼ全てが決まってしまう。
- マーケット選定が誤っているとトップラインが限定的になる。
- トップラインが限定的だと投資家が付きづらく、資金が集めづらい。
- 資金が集めづらいと仲間が集めづらい。
- 優秀な仲間を集めるためには一定の給与は必要になる。
- 結果、少数でそこそこの売上を上げる中小企業を経営することになってしまう。
- 人によって価値観は違うのでそれが悪いというわけではない。
- しかし、スタートアップでVCなどから出資を受けるのであれば考える必要がある。
- マーケットはできるだけ大きいか、ニッチ市場だけど独占されておらず、独占できるような差別化できる戦略を持って戦う
- why now, why usを問い続ける
ファイナンス・財務
- 時価総額
- EXITをどうするかにも左右される
- 企業価値を「どのようにあげていくのか、高い数値目標を掲げるのであれば企業評価がどのようにされるのか」を学ぶ必要がある
- 時価総額が上がらなければ・上がりにくい構造の売上構成になってるのであれば練り直すことも考える
- ファイナンスロジック
- ファイナンスロジックを整理した上で売り上げを伸ばすことで時価総額が上がりやすくなる。
- 時価総額は計算方法が色々あるので自社のモデルにあったものを採用する
- ファイナンスロジックを考慮した上で売上を上げると調達するときの金額が読みやすい
- 最初は難易度が高いので経験あるCFOなどに聞きながら早めに定めておくと無駄に売上を伸ばす努力をしなくていい可能性もある
- 人的資源を最大限有効活用しながら企業価値をあげていくことが大切
- 株主
- 誰からいくらファイナンスしたいのか
- 誰からファイナンスすると事業上意味のあるお金になるのかを考える
組織づくり
創業メンバー
- 体制がない状態だと事業の安定感がなくファイナンスにも悪影響
- 経営などの相談できる相手がいないと経営者として成長しづらい
- 創業メンバーは株式含めて早めに一蓮托生でできるメンバーを集める
- 株式比率を考えること
- 中長期の経営を考慮する
- 個人のお金などに固執せず、中長期会社としてあるべき姿から逆算して設定する
- 本稿を読むとわかるが1人で大きいことを成し遂げるのはほぼ無理であり、自分がやるべきことに集中する
- 集中できるようにするために信頼できる強い仲間が必要である
事業観点
- どんな事業でも1人ではスケールしない
- どういう事業でやっていくか次第だが、営業体制・開発体制・マーケ体制など事業におけるコアの体制構築が遅れるほど人員の負荷が高まる
- 負荷が高まると集中がきれ、事業の安定が減る
- 事業の安定が減ると会社全体の安定が減る
- 売上や残キャッシュを気にしたりすると組織がギスギスし始める
組織がすぐに伸びてきた場合に注意する組織作りについてはこちら。5-10名など早い段階でも気にかけておいた方が良いことをまとめている。
事業戦略と計画
選んだ事業でなぜ、どのように勝てるのか考える必要がある。そのために下記を整理する。
ポジショニング
- 魅力的なマーケットである場合、ほぼ100%競合がいる。
- 競合がゼロです、というのは調べきれていない可能性が高いのでどういう売上構造なのか、近い会社はないかは調査する必要がある。
差別化・競争優位性
- 競合がいる場合、差別化要因はファイナンスの際にほぼ100%聞かれる。
- MOATをどのように築いていくのか考える必要がある
- 体制づくり、開発力、独自データ、ユーザー、顧客など
事業計画
- 売上、支出、利益の基本数値
- 事業独自の変数をそれの推移
- 数パターン用意して現実的なものに数値が整理されていく
- 最初から完璧なものはないが、事業において何が必要なのか変数を理解することが求められる
- 変数の理解ができないと無駄なことに時間を費やし事業成長を遅延させる
- 事業計画を何度もアップデートする中で変数をソリッドにして、集中して成長させる
予実管理
- 予測に関しては過去数値の変数からマーケットや事業・体制などを考慮して数パターン用意する
- 達成できなければなぜ達成できないのか理由を明らかにする
- 理由が明らかになったら、実行アイデアを整理する
- 実行に移して、数値でみて実行の精度改善をしていく
集客
- ウェブビジネスで大切なのは集客の戦略
- 集客なしに事業のグロースはない
- どういう事業であれ集客に強みがある状態をいかに早く作れるかは大切
- 基本的には内製で作る。代理店が入ると利益率が悪化するのとコントロールしづらくなる
- 集客効率が悪いビジネス・体制だとスケールに時間がかかり、想定した事業成長はできない
開発
- 集客同様、ウェブビジネスには必須
- 開発力があることが競争優位性につながることもある
- 機械学習
- ブロックチェーンなど
- 初期開発は業務委託のメンバーなどでできるだけコストを下げて開発する
- この際、外注の会社を利用して丸投げで開発をしないこと
- コストを下げて開発し、売上が数千万レベルで立ってきた段階で1人目のエンジニアを入れる
- 正社員のレベルの高いエンジニアを最初から採用するのは年収的にも条件的にも厳しい
- ただ、ずっと業務委託だとコミットメントが薄くなり、芯を食ったアイデアを出してもらえず、中長期的に伸ばしづらくなる
- フルコミットのエンジニア採用スピードと事業成長は比例
- 主力エンジニアを口説くときはSOか株を渡す
事業体制
- 事業が少しずつ大きくなってくると人に任せる必要がある
- 採用をして体制づくりをする必要がある
- 人に任せるために事業の変数の中で何が必要なのかを理解しておく
- スキル、経験などを整理して個人のwill,can,mustに応じてお願いする
- 事業に必要な体制づくりが遅れると事業成長が遅延する
- 事業成長が遅延するとファイナンスがしづらくなったり、社員がデモチベーションする
バックオフィス
- 税理士、会計士、行政書士などの採用
- 経営者自身が初期はやったとしても3ヶ月以後は自分でやらないこと
- やるべきこと、自分でしかやれないことに集中すること
- キャッシュフローのシミュレーションは早めにできるようにする
- できれば、API経由でfreeeやマネーフォワードから取得・自動化してグラフ化
- これによって、意思決定のスピードを早くする
- 起業初期はキャッシュフローが命であるので早く察知して実行することが大事
- キャッシュフローの安定=心の安定ができる
- 受けられる融資は全部受ける
まとめ
優秀な人が起業すると自分でなんでもやってしまいたくなる。しかし、MVPが一定完了し、PMFの初期が見えてきた段階ではメンバーを増やさなければスケールしない。
良いマーケットであれば強い競合もいるだろう。採用や組織を考え、いかに早く権限委譲できるかでスタートアップが死ぬかどうか決まる。自分でやることにこだわらず、やらないことを決めよう。そして恐れずに人に任せよう。この辺りは特に気をつけたい。
どこかでまた追記する。