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SaaS事業・メディア事業の立ち上げをしてきて、事業戦略・マーケティング戦略から実行、そして組織作りまで行ってきた。ブランド設計からのマーケティング戦略、戦術、各施策まで何を考える必要があるか。概要を整理しておく。
概要
この記事を書く目的
- 会社、自身の事業戦略、マーケティング戦略の思考力・実行力を高めるため
- 自身のブランド構築〜グロースまでの再現性を高めるため
- 事業や商品を作って、伸ばすまでの一連の流れについて抽象的な理解から具体的な理解へ
実行から素早く学べる人とそうでない人がいるので、インプットする際にはこれから記載することをインプット、実行することを勧めたい。
ブランド・マーケティング・グロースの流れ
ブランドとマーケティングの棲み分けの理解

- ブランド
- 商品、事業などブランドのコアは何か
- マーケティングの各戦略や施策に落とし込む
- マーケティング
- マーケティング戦略〜実行
- グロース
- プロダクト、コンテンツ、広告などを活用し1-10で伸ばす
- マーケティングの戦術に対し、実行の型化と実行強化
このように定義している。
自身の業務領域の理解
- これらのどの部分の理解ができているのか
- 今取り組んでいる業務の中で自分は何をやっているのか
- その上で成果を出すための変数、構成要素は何かを掘り下げて思考する癖を身に付ける
- 成果を継続的に残せる人=業務の必要構成要素を理解し、それをコントロールできる人=成果の再現性の高い人=仕事ができる人
現状把握:今何をやるのかを整理する

- 目的
- 事業やプロダクトに投資する適切な予算、人材、戦略、戦術で今実行できているのかを整理するため
- わかること
- どこかできていない、または不足しているのか課題が明確になる
- 起きる課題
- 本当の課題が見えなければ時間・リソース(人・金)が無駄になる
- 実行して結果が出ないと評価が上がらない
- 結果、チームのデモチベーション・退職を招く
- メンバーに結果を出させる設計をするのがマネージャー、経営の仕事である
目標や実行の設計についてはこちら。
グロースする商品・プロダクトは誰向けか
「誰に対してやるのか」を理解していないと事業も各施策が当たるはずがなく、各施策が当たらなければいつまでもグロースしない。顧客解像度を継続的に高め、施策を思考しよう。
事業・サービスグロースを考える流れ
- 誰に(who)
- 何をやるか(what)によって
- どうやるか(how)が変わる。
これらを整理せずに施策を打っても成果がなかなか出ない。一つずつ分解、構成要素を考えて知識をインプットしなければ実行しても無駄になる。
ビジネス・商品の理解
まずは事業・商品が何かを理解する必要がある。大枠の理解をするための記事を書いた。
ブランドマーケティングの実施と整理
なぜ、いつやるか
実施タイミングと理由は下記である。
- シード
- 目的
- 基本的なブランド・マーケティングの方向性を定めるため
- 目的
- 一定プロダクトがグロースしたタイミング
- 背景
- 成長に合わせて人材が増える
- 売上~2,3億円 マーケ人材1-5名
- 課題解決
- ブランド・マーケティングメッセージを整理しておくことで各メンバーが実行する施策の中での実行の品質のブレがなくなる
- 背景
- 規模が大きくリブランディングする際
- 背景・目的
- 設定していたマーケットを取り切り、拡大する必要がある
- 大きくターゲットを変更し、メッセージを変えなければ伝わらない場合
- 背景・目的
何をやるか
- Ultimate issueの定義
- 誰の、どんな課題、どんな背景があるか
- will、can、must
- why, what, howの整理
- why/who
- consumer issue
- 誰のどんな問題
- what
- ソリューション
- ベネフィット
- なぜそう言えるか、裏付け
- how
- PoP
- Point of Parity
- functionnal value
- emotional value
- Point of Parity
- PoD
- Point of Difference
- functionnal value
- emotional value
- Point of Difference
- PoP
- why/who
対象の解像度を高めるための方法
- ユーザーインタビュー
- 商品、サービスを利用している人、利用していない人
- それぞれの理由
- 利用する背景・タイミング・課題・メリット
- 属性
- 家族構成、年収、住んでいる場所、趣味、好きなブランド・好きな場所
- 行動
- 見ているサイト、書籍、テレビ番組
- 日常生活の行動・生活パターン
- 商品、サービスを利用している人、利用していない人
- ペルソナに関する情報収集
- SNS
- ブログ
- コーポレートサイト、個人サイト、求人サイト
- 何らかの情報発信媒体
- メディア、記事、プレスリリース
- 雑誌、書籍
ペルソナ解像度が低い人
商品・事業のtoB、toCの領域問わずそもそも顧客解像度が低い人は各ファンクションで安定した成果を残すことはできない。逆に成果をあげられる人は顧客理解ができており、安定した成果を残すことができる可能性が高くなる。
可能性が高くなると書いたのは、顧客理解が進んでも適切な実行ができなければ成果が出ないから。実行は何をどのようにやればいいのか。
事業・サービスグロースのために何をやるか
戦術
- プロダクト
- 広告
- オーガニック
- SEO
- コンテンツマーケティング
- SNS
- 動画
- アライアンス
事業・サービスグロース施策をどうやるか

究極はプロダクトでグロースさせ、口コミや紹介で広がっていくことが一番良い。しかし、それだけでは事業・サービス成長スピードに限界がある。各戦術では何をやるのか・何があるのか書き出してみる。
前提:各戦術の設定時の思考ポイント
- what: 行う事業・商品における勝ち筋は何か
- 自社アセット、競合状況などから落とし込んで整理する
- how: 勝ち筋をどのようにやるのか
- 自社アセットか他社か
- why: 上記はなぜか
- グロースにはストーリーと必ず勝つような緻密さが必要
- 事業の勝ちにまぐれなし
プロダクト
- 解決する課題は何か
- 課題をどのような機能で解決するか
- 機能は誰に、どのように利用されるか
- どれくらいの人が利用するか
- 利用するのはなぜか
広告
- SEM
- Google, yahoo
- SNS広告
- Twitter, facebook, linkedin, line
- メディア
- youtube, tiktok
- オフライン
- 交通広告
- タクシー
- 展示会、オンライン展示会
- 純広告
- 法人・個人ウェブメディア、書籍・雑誌、CMなど
- アフィリエイト広告
- 各種ASP
- システマチック広告
- SSP
オーガニック
施策
- SEO
- データベース型
- コンテンツ型
- コンテンツマーケティング
- 記事
- 動画
- SNS
- Twitter, facebook, linkedin
- メディア
- youtube, tiktok
思考ポイント
- 施策
- コスト、単価
- グロースまでのスピード
- 自社の人材のナレッジ有無
- 体制、人材
- 上記がない場合
- 顧問、業務委託の活用
- 代理店の活用
アライアンス
施策
- ウェブサービス、メディア
- 送客、コンテンツ提供、相互リンク
- 企業
- 業務提携
- 送客提携
- 資本提携
- 販売代行(代理店制度)
- 業務提携
思考ポイント
- アライアンス先と自社のビジネス、商品の理解
- 商談、ヒアリング(課題、求めていること、理由、背景)
- 自社商品の訴求
- 上記提携先の課題に対してのメリットの訴求
- 経済性、利便性・効率、そのほか
そのほか
- ウェビナー・オンラインセミナー
- テレマーケティング
- CRM、マーケティングオートメーションの活用
事業計画・ロードマップに落とし込む
上記が整理できたら何をどのようにやるかクリアになっているはずだ。
なぜロードマップに落とし込む必要があるか
- 仮説もなしに「なんとなく実行」では成果の再現性がない
- 仮説に基づいた実行であれば検証項目が明確
- 検証項目が明確な実行は改善しやすい
- 「今やらなければいけない理由」もないと正しい意思決定ができているのか不明
- 人的資源、予算を無駄にしない
何を、いつ、どの順番で実行するか
- ロードマップの設計の一例
- 事業計画に対して、現状の体制・予算から打てる施策に落とし込む
- 打てる施策はいつどのように実行されるのかガントチャートなどで整理する
- 施策を早く実行したい場合、採用→体制づくりになる
事業計画、ロードマップ(マーケティングや各セクション)に落とし込んだら、あとは上記の実行に必要な人材採用と体制を整えていく。
事業・マーケティングの実行体制について
事業・マーケティングの体制づくりについては別の記事で書く。
終わり
私は事業が伸びるか否かは「正しいことを、正しい順序で、正しくやること」だと考える。正しいことをどのように見極めればいいのか、見極める力・再現力を言語化し、体系化し、骨肉化していきたい。