読了: 約 4 分
5期目の会社だが私がドキュメント文化を推進してきた。社内の情報の構造・情報設計からサービスの選定ロジックを作り、サービスを選択してサービス移行なども経験してきた。サービス移行プロジェクトではPMを副業で採用し、情報設計を整理したりなどもした。
概要
前提:ドキュメント化することが全てではないが凡事徹底が大事
当たり前の話だがドキュメント化したからといって会社が伸びるわけではない。まずは伸びるような事業や商品を生み出さなければならない。この0-1フェーズはかなりアートなフェーズである。しかし、アートなフェーズを抜け出してより成長を求めていくのであれば再現性が必要になる。
業務効率を上げ、再現性をつくるリーンな手段である
再現性をリーンに作っていくことができるのがドキュメントだ。ドキュメントがあることで業務効率が上がる。事業や会社が成長すると特に仕事ができる人に仕事が集中する。仕事が集中するが業務効率が上がってなければただ時間が奪われていってしまう。優秀な人は自分にしかできないことに集中するべきなのだが、いつの間にか効率が忘れ去られてしまうことがあるのではないだろうか。
プロなら自分を客観視し、仕事を渡すべき
プロフェッショナルなら自分の時給・役割・業務レベルなどから逆算・評価して自分がやるべきタスクなのかそうでないのかは冷静に判断すべき。そして、自分がやるべきではないものは言語化・ドキュメント化して引き継ぎ、会社や事業を大きくすることにフォーカスするべきである。
ここまではマインド的な話で、具体の話に入っていきたい。
ドキュメントツール
今だとnotion一択だと考えている。
notionの良いポイント
- データベース活用が可能
- タスク化、タイムライン・テーブルなどのビューの切り替えが容易
- 権限管理が可能
- wiki、noteなど情報の構造化が楽にできる
ドキュメントサービスとしての拡張性が高く、人・事業が伸びた時にどういう組織設計であっても対応できるのがnotionだ。元々はkibelaを活用していたが、notionが日本語対応していないバージョンの時にnotionに切り替えた。
ドキュメント化する対象
ドキュメント化といっても何をどうするのか悩む場合もあると思う。基本的なことを2つ分けて書いておく。
業務内容
- 基本的な仕事のワークフローを誰かが理解できるところまでがゴールのドキュメント
- 作成したら他の誰かに一度確認してもらってやってもらう
- それでもれている部分、記載が不明な部分は追記する
業務の中でのナレッジ
- 例:マーケティング
- クリエイティブ単位でどのように考えて作り、どのような結果を得たのか
- 他の人に業務依頼し、その人が成果を出せるところまでがゴールのドキュメント
- 業務内容問わず
- 成果が出せるようになっていなければどこが不明なのか、どのように考えて実行したのかをメモしてもらう
- 思考力をアップデートしなければ仕事のナレッジ面はインプットできない
ドキュメントを書く際の構成
- これは何か
- 目的・背景(なぜ残すのか、どう使って欲しいのか)
- やっていること・アクション・詳細
このような形で簡単に残すと自分の業務を誰かに引き継いだり、教えやすくなる。ドキュメントを見てもらい、わからないところがあればコミュニケーションするとフィードバック効率も上がる。
鮮度の高いドキュメントを作成・更新し続ける
作成・更新のメリット
業務を引き継いだ先で作業が止まった・成果が残らない・成果が思うように上がらないというところを記載し、解決方法を書いてもらう。プラットフォーム、事業、関わる人、が変われば全てが変わる。なので、ドキュメントは更新・不足点は作成してルールを作っていく。そうすることで鮮度の高いドキュメントが次々に生まれていくことになる。
更新し続ける意味
会社の様々なところで再現性が生まれることにより、強い会社として持続的に成長することができる。スペシャリストが集まって非言語で事業を伸ばしていくこと、会社・個人共に限界が来る。成果の上がるときはいいが、成果が出ないときは何が課題かがわからなくなり、ドツボにハマっていく。人によっては拗ねたり、他の人に当たったり、他のところに言い訳をしたりする。
最後に
会社を作る目的、会社の存在意義に繋がってくる話ではあるが、目指すところが高いのであれば、経営者はどのような会社にしたいのか、中長期社員にどのようになって欲しいのか、この辺りを考えるべきだし、社員に伝えるべきである。
会社は短期的なものではなく、継続的なものである。再現性に課題を感じている経営者や事業責任者は、どういう雰囲気、組織、社員でいて欲しいか今一度整理してドキュメントに残し経営陣や投資家と話すと良いのではないだろうか。