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事業KPI 設計についての記事から派生して各事業モデルについての KPI 目標設計を整理していきたいと思う。本記事ではメディア事業の KPI 設計について書いていく。
メディア事業のビジネスモデル
そもそも前提としてインターネットメディアのビジネスモデルは下記のようなものがあり、ビジネスモデルを理解しておかなければ事業KPIを設計できない。まずはここを理解する。
- 広告
- 広告掲載によるマネタイズ(純広告、成果報酬型広告・アフィリエイト広告、システマチック広告)
- 課金モデル
- Newspickなどの直接コンテンツ・月額課金
- UGCへの課金決済手数料
- noteなどのUGC(ユーザージェネレーテッドコンテンツ)に対しての決済手数料
基本KPI= ユーザー数×ARPU(単価)
ユーザー数について
- メディアで作成されたページ数(コンテンツ数)×検索ボリューム(検索回数/月間,年間)×上位率(検索キーワード)
- +外部トラフィック数(ex: SNSの投稿数、エンゲージメント)
- +リターンユーザー数(エンゲージメント= ex: 自社名、ブランド名などの指名検索数)
メディア事業は基本的に記事コンテンツや、データベースを活用としたページの作成とその作成されたページの検索上位表示したいキーワードをどれだけ持っているかによる。
検索エンジンからのユーザー数
デジタルメディア事業は「=情報をどのようにマネタイズするか、の事業」である。世の中の多くの人がインターネットから検索エンジンを通して情報を調べており、GoogleやYahoo!などの検索エンジンからの集客が重要であるということだ。そして、検索上位に上がるような「資産性の高いコンテンツやページを作ることが大事」である。
検索エンジンのアルゴリズム
ページを作ればただ集客が増えるわけではない。GoogleやYahoo!の検索エンジンに上位表示されるためにアルゴリズムに対応し続ける必要がある。しかし、基本的にグーグルはユーザビリティーの高さ、コンテンツの質の高さを何らかの体を数字で測っているためGoogleのアルゴリズムに合わせると言うよりは質の高い、ユーザに求められるコンテンツを継続的に作成できるかが大事である。
この検索アルゴリズムへの対応が自社でできない企業が多いため、大手インターネットメディア事業企業から独立したSEO事業者が増え続けている。
自社で記事or動画コンテンツ作成する形でのメディア事業の場合、コンテンツ作成オペレーションが肝
企業は自社のビジネス事業に合わせたキーワードを適切に設定し、自社のリソース、予算に合わせたコンテンツ作成のオペレーションを作ることがメディア企業のKPIであるユーザ数を高めるために非常に重要である。
リターンユーザー数
また、メディアとしてブランディングができているメディアであればそのメディアの記事を見るために再訪するユーザがいるためリターンレートの高さまたそのユーザ数と言うのも大事である。
外部トラフィックからのユーザー数
それ以外にもSNSのトラフィックもティックトックやYouTubeなどの外部メディアが利用されるユーザが多くなり、大事な指標のひとつである。
検索、SNS、エンゲージメントいずれに重きを置くかはメディア事業の領域やビジネス、ターゲットによっても異なるので、そこがマーケティングの集客戦略の肝となる。集客戦略が整備されていないメディア事業は確実にうまくいかなくなる。記事メディアだけでなく、youtubeにチャンネルを持つなどの動画メディアについても同様のことが言える。
広告単価・マネタイズについて
広告単価についてはビジネスや商品によっても異なるので、まず第一は商品設計が大事である。その上で広告ビジネスでマネタイズしていく際に考える基本事項について整理する。
広告単価指標
- CPM(インプレッション単価)
- PV単価(1pvあたりの売り上げ)
広告単価指標改善ポイント
- 広告枠数
- 広告枠別の売上、単価、クリック数・率、CV数・率
広告単価を上げるアクション
- 様々な広告手法のメリデメを整理し、理解すること
- 自社メディアの広告枠、掲載方法を決定すること
- 広告枠の分析をできるようにし、広告配信についてのデータを可視化すること
- その上で、広告枠に対しての広告配信を最適化すること
基本はこれを徹底していくに尽きる。
純広告
次に、メディアに出稿していただける顧客を集めること=純広告では、基本いかにユーザ数が多い方が大事なのでユーザ数を最大化することが重要だ。
成果報酬型広告
アフィリエイト広告もこの仕組みとほぼ同じであるが、純広告のメニューの中に成果報酬型の広告が含まれている場合もある。
成果報酬型広告の良いポイント
- 顧客視点
- 掲載型広告だと掲載した広告からの成果がわかりづらい、成果が出ていないのに料金が発生するケースが出てきてしまうリスクがあるため、成果を求められる・求める場合がある。
- 成果報酬型広告は広告成果(例:ユーザー登録数など)を可視化することで顧客が広告出稿することで安心感がある。
- =広告出稿しやすく、メディア型にとっては受注しやすい
成果報酬型広告は成果に応じた料金テーブルを設計し、メディアの中の掲載方法・掲載枠を変更することで売上を最大化することが可能になる。昨今のデジタルメディアにおいてはシステマチック広告で売り上げが最大化されないケースもあるため、成果報酬型の広告も合わせて設計することが大事だ。
アドセンス・アフィリエイト(ASP)
アドセンス、アフィリエイトの場合は広告単価の高い領域や商品であることが大事であり、単価の低い領域では1人だけコンテンツを作ってもマネタイズできないと言うことがあるので注意が必要だ。
そのほかにもシステマチック広告など様々な広告のマネタイズ手法があるがそれは下記の記事に整理したのでそちらに任せる。
メディア事業についての立ち上げでチェックするべき項目についてはこちらの記事もまとめてみたのでこちらを参考にいただければと。
https://note.com/tanamako/n/ndf9fd6665300
おわり
基本的なことしか記載してないが各論についてはおいおい別の記事などで追加していく。