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プロダクトマネージャーが育たない、魅力的な人がいないという課題がWeb・IT企業の多くで起きている。なぜプロダクトマネージャーが採用できない・育たない・いないのかについて整理していく。
概要
これはなに
- プロダクトマネージャーが育たない環境について整理したもの
- プロダクトマネージャーを育成する環境の改善、対応策を書いたもの
この記事の対象の方
- プロダクトマネージャー
- 目指している方、なりたい方
- 次のキャリアを考えている方
- 経営者、採人事用担当者、PMマネージャー(CTO/POなど)
- プロダクトマネージャーの採用を考えている方
- プロダクトマネージャーの育成を考えている方
この記事の目的
- プロダクトマネージャーの採用、育成事情について理解できること
- プロダクトマネージャーの育成について必要なことを理解できること
プロダクトマネージャーがなぜ市場にいないのか・少ないのか
プロダクトマネージャーの機会・チャンスが少ない
- プロダクトマネージャーが求められるプロダクト・サービス・事業が少ない
- 企業によってはエンジニア、デザイナーにhowが集約されている
- 要求定義はセールスやbizdevなど他の役割の人が行っており、要件定義以降はエンジニア、デザイナーが行う
- 新規事業が立ち上がる総数が少ない
- 多くの事業・サービスは撤退になるため継続的にプロダクトマネージャーが必要にならない
プロダクトマネージャーが求められるプロダクトが少ない
- 事業・サービス内容でプロダクトの難易度が低いものがある
- 基本的にはどのプロダクトでもプロダクトマネージャーが必要ではあるものの、必要がなくなるケースもある
- 例:ECサイト、メディア(記事)型のサービス
- 一度大枠・主要ページやオペレーション部分に関わる管理画面などを作ってしまうとオペレーション、マーケティングなど最適化施策を進めれば良くなるサービス
- 商品数を増やす、カテゴリや記事を増やす事になる
- 大きなサービス変更などがないサービス
- 一度大枠・主要ページやオペレーション部分に関わる管理画面などを作ってしまうとオペレーション、マーケティングなど最適化施策を進めれば良くなるサービス
- ECサイト、メディア型サイトの場合
- どちらかというとマーケターがサイトのオーナーになっているケースが多い
- 仕入れ、CRO(LP、サイト回遊、訴求)などの重要度の方が高い
プロダクトマネージャー以外の役割を求められることが多い
- 背景
- 事業会社・制作会社ではプロジェクトマネージャー・プロダクトマネージャーの明確な定義がされていないケースが多い
- 事業会社でない限り、PMMも定義がない(そもそも必要がないが)
- 事業会社・制作会社ではプロジェクトマネージャー・プロダクトマネージャーの明確な定義がされていないケースが多い
- 課題
- プロダクトの企画や要求・要件定義・分析にフォーカスした動きではなく、そのほかのプロジェクトマネジメント・ディレクション・どづまりの解決(何となく何でも屋として認知され、タスクや課題が降ってきがちなのがPM)に工数が取られてしまうことがある
- 特に規模が大きなプロジェクトではプロジェクトマネジメントに工数が取られるのでプロダクトマネジメントに集中できない
- 結果
- プロジェクトマネジメント(PdM、PMMなども共通して必要なスキル)に強みや経験があるPMはいるが、サービスのグロースにコミットしたと胸を張って言える人・客観的に説明できる人が不足
プロダクトマネージャーがなぜ育たないのか、育ちにくいのか
プロダクトの0-1に関わる機会が少ない
- スタートアップ、事業立ち上げ・新規事業に関わる総数が少ない
- そもそも新規事業の立ち上げの総数が少ない
- 日本企業のインフラ整備
- 企業における新規事業立案のマインドと育成環境
- インフラ課題
- まだまだ日本のスタートアップの投資環境が育ちきっていない
- 大企業も新規事業を立ち上げたいが立ち上げ方法がわからないケースがある
- 投資先や育ってきたベンチャーを買収して事業・企業の成長をさせていく
プロダクトマネージャーとしての学習環境
- プロダクトマネージャーとしての学習環境はない
- 打席に立たなければわからないことが多いが、打席にたつ環境が上記の通り少ない
- プロダクトマネージャーからのフィードバックが少ない
- そもそもPdMの総数が少ないので、プロダクトマネージャー同士のフィードバックの総数は少なくなりやすい
プロダクトマネージャーの育成・増やすための方法
フィードバックの強化
- アイデア
打席・機会の増加:副業サービスの利用
https://offers.jp/jobs/category/12
手前味噌ながら私がPOを務めるOffersでは上述してきたような課題に対してのソリューションとして副業PdM案件を増やしている。これで解決できることは以下だ。
解決できること
- 優秀なPdMの場合
- 企業メリット
- 副業で入社することでPdMのインプットをできる
- PdMの採用や働き方、業務の理解ができる
- 事業成長に貢献してもらえる
- PdMメリット
- スタートアップの0-1に携わることができる
- 規模が大きい企業では得られない組織の立ち上がり、ファイナンスなどを学ぶことができる
- これまで得たスキルや経験の再現性を確認し、水平展開できる
- 企業メリット
- PdM未経験の場合
- 企業メリット
- 未経験で優秀層よりも比較的安い金額で採用することができる
- PdMメリット
- 他のPMとしての強み、PMでなければマーケターとしての強みなどを生かしてPdM業務に少しずつでも関わることができる
- 企業メリット
- キャリア構築・設計のテストが可能
- 個人視点ではキャリア構築、今後考えている場合にその経験が積めることが大きい
- ここで向いていいない、スキルが足りないことがわかれば早期に手を打つことができる
- 転職することなく自身のキャリアのチャレンジができることでキャリア・経歴を無理に汚さなくて済む
おわり
いないからといって何もしないのではなく、環境づくり・育成作りに今後も取り組んでいく。