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概要
これはなに
- 日本企業でなぜCHROや人事責任者とはなにか、なぜ必要なのか、なぜ少ないのか、どうやったらなれるのかを考えるためのもの
目的
- スタートアップ企業にCHRO、人事責任者が増えてほしい
- 日本から良いスタートアップを生み出すために絶対に必要となるのが採用・組織の責任者である
- 事業を伸ばす人と同等以上に組織を作れる人は希少価値が高い
- 大企業・メガベンチャーの事業責任者、営業責任者、広報責任者、CTO、開発部長など他の職種からもスタートアップの人事責任者はできるかもしれないので興味を持っていただきたい
この記事を書く背景
- スタートアップやベンチャーではCHRO、人事責任者を求める企業が多く、それが30,50,100人の壁を越えるために必要とされているがそもそも母数が少ない
- CHRO、人事責任者の母数が極めて少ないことはなにが原因になっているのか他の企業のCHROと話をしていて気になったので整理したくなった
CHROとは何か
- 役割
- 理想の経営・事業の目標達成・実現するために採用、組織を総合的に判断して戦略設計から実行の設計を行う
CHROがなぜ必要か
参考
https://www.jafco.co.jp/andjafco-post/2021/04/08/000134/
そもそもCHRO導入する日本企業はどこがあるか
日本のメガベンチャー企業
- 株式会社ディー・エヌ・エー
- 株式会社GA technologies
- 株式会社サイバーエージェント
スタートアップでも増加
- 株式会社RevComm
- OLTA株式会社
CHROになるにはなにが必要か
以下の理解・経験がある人ほど重宝される存在になる。
CHROに求める経験やスキル
- 経営
- 事業
- マーケット
- ビジネスモデル
- 事業計画・PL作成
- 各人員の職務・役割・責任
- HR
- 組織
- 労務、総務、カルチャー、教育・育成関連、組織構築
- 採用
- ファネル、採用手法(媒体、エージェント、リファラル)の計画と実行、データ管理
- 組織
なぜ、人事や採用担当者に事業理解が必要か
- 理由
- 前提
- 事業を立ち上げる・伸ばす->これをやるのは人である
- 適材適所な人員配置
- 事業を伸ばすためになにが必要(戦略、戦術、施策、体制)を分解し、それに対して適切な人を配置(採用、異動、育成)すること
- 人員計画精度と人員・採用戦略
- 事業の理解がある人は適切な人員のレベル・経験・スキル・人員数を一定定義できる
- howの部分は採用担当者・現場・リクルーターに任せればいい
- 前提
人事・採用組織が弱くなる原因とその結果
背景
- 採用計画・採用戦略がない、作成できていない
- そもそもこれらを作ることができる人が不足
- 採用担当者には作成できない
- 採用媒体、エージェントなど各チャネルに専属で張り付いていたり計画策定の経験がない人が多い
- リクルーター、面接官として動いたことがあるが薄く広く動いていて上流に関わったことがない
- 採用担当者には作成できない
- 結果、経営陣や事業責任者クラスの人材が作成する
- そもそもこれらを作ることができる人が不足
原因(背景があって、原因がある)
- 採用や人事が現場に都度採用進捗の話を聞きすぎる
- 前提
- 事業状況によって、JD・優先度が変化するため一定ヒアリングは必要
- 理想の進め方
- 言語化・型化して進めればそこまで難しい話ではないのでJDも事業計画->採用計画+人員状況を意思決定しやすい状況にする
- 可視化・言語化されていれば、それにもかかわらず毎回現場とのコミュニケーションを取るのは現場のリソースを奪っている
- 現場が採用にコミットして疲弊する
- 適切な評価制度がなく採用にコミットする感覚が薄れる
- 前提
結果
- 事業や採用計画からブレイクダウンした採用実行ができない
- 採用担当者・リクルーターが事業に関わる人の業務やレベル・経験の解像度を高めることをせず、エージェントに依頼してしまう
- エージェントが一定の職種ごとのドメイン知識を持っているので、エージェントに任せてしまう
- コミュニケーション・関係値ができてくるとエージェントと現場をつなぐようになり、人事・採用担当者としての介在価値が減少
- 全社といて採用実績は出る(現実はエージェント対応などができた場合に採用がうまくいけばの話)が、お金がかかる、インハウスの採用が弱い組織ができる
CHROに採用や人事バックグラウンドはあまり必要ない
理由
- 戦略立案や実行を職種・セクション問わずプレイヤー・マネージャーとして一定以上やり切った経験がある
- データに基づく意思決定を行える、理解できる、整理できる
- この2点の経験がある人であれば、CHROを担える可能性がある
CHROどうすればいいか?
- 前提
- 採用時にCHROの経歴・経験を求めるのは採用難易度が高い
- CHRO経験者の母数が少ない
- 人事責任者、人事部長はいるが採用戦略・実務回りまで管轄できるかは別
- 既にスタートアップに所属し、CHROポジションに就いている場合、IPOまで所属する可能性が高い
- 途中で抜けるケースはその企業が何か問題が起きない限りかなり珍しい
- CHRO経験者の母数が少ない
- すでにCHROである他社の場合
- それ相応の条件を現職が提示しているため引き抜くことが難しい
- HRという基幹の責任を持っているため退職しづらい
- 採用時にCHROの経歴・経験を求めるのは採用難易度が高い
- 解決策
- 社外の他ポジションからの抜擢採用
- 社内の他ポジションのプレイヤー・マネージャーからの抜擢
- 社内のHR担当者の育成
最後に
- スタートアップのCHROが増えてくれると嬉しいです。