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毎年恒例の個人の振り返りを書いていく。今年は
- 会社
- 事業
- 個人
の3点で振り返る。
概要
誰向けの記事か
- 経営者
- これから起業する人
- プロダクトマネージャー、プロダクトオーナー
毎年の振り返り記事
起業した2018年からのふりかえりの記事はこちら。
会社
正社員数が大事なわけではないがわかりやすい数値として、正社員が昨年の約2倍となった。会社の未来を作っていく人が集まってくれた。これまで業務委託として多くの方に関わっていただいていたが、一部の方々が外部のオファーなどがある中で正社員として関わってくれる事になった。
新しい経営のあり方を提唱するフレキシブル経営・副業転職が広がってきている。フレキシブル経営は今後の日本で必須になる経営スタイルだと考えている。詳細に関してはこちらを確認していただきたい。
社員の皆様については、人生で様々な選択肢がある中、弊社を選んでくれて感謝だ。
会社のディフェンスの意識
会社はディフェンスの意識がなければ、どこかで歪みが発生してくる。
いかの点が今年増強されたチームである。
- 経営企画
- ファイナンス
- 労務
- 人事(ピープルサクセス)
創業経営陣のタイプはオフェンスが多く(数年前に実施したエグゼクティブコーチングの結果)、起業から四年経過してオフェンス比重高めであったが、今年はディフェンスも含めて考えた。
それに伴い、オフェンスとディフェンスのバランスがやや中途半端になったかもしれない。会社のフェーズはオフェンスをもっとやっていかなければならない。安心してディフェンスを任せられる経営ボードやメンバーが増えたので、2023はオフェンスを担う経営ボードの1人である私はオフェンス(+それを作るための仕組みづくりを)全振りでいく。
経営の攻守のバランス
経営はスポーツと同じで攻守のバランスが大事だ。攻め(売上や利益が上がり始める)が強くても、守利が弱いとどんどん失点(退職、組織の雰囲気が悪くなる、など)する。失点すると得点を同等以上に取らなければ勝てない。
経営の攻守とは、攻めは売上や利益を生み出し最大化すること、守りは人事・労務・経営管理など組織全般の再現性のこと。今年は『三十人の壁』も突破して、全社で守りの意識が強くなっていた。
細かい管理は、そもそも各ファンクションで綺麗にお金を使える能力がある、その管理ができていれば全社でやる必要がない。また、細かい管理はやりすぎると機動性を失い、売り上げの最大化をしづらくなるので注意が必要だ。
2023年はそれ以降のリセッションの動きを見据えたお金の使い方を強めに舵をとっていく。お金を使わず知恵を絞って攻めることが求められるので、管理と緩和のバランスを仕組みで解決していきたい。
経営ボードの安心感
経営ボードの役割分担は大切だ。背中を合わせて一緒にやっていくときに被っている領域があると勿体無い。
今年は経営ボードが2名増えて、議論が多様化し、今後の経営に安定感ができ始めてきた。創業から4年が経過したところでジョインしてくれた2人。この2年くらい探し続けたポジションで感謝だ。一緒に良い会社を作っていきたい。
また、経営ボードの器が、企業の器なので皆で切磋琢磨、フィードバックし合いながらやっていきたい。
事業
大きな変化があった一年だった。私は昨年末から2年半やってきた事業を引き継ぎ、新規事業に力を入れている。
新規事業は、プロダクトの立ち上げ方で大きなミスを犯した。プロダクトは負債を抱えた状態を平常な状態に戻しながら、作っている。立ち上げのタイミングや立ち上げ方に関しての反省はたくさんある。
プロダクト立ち上げでの教訓
1.責任者不在では良いプロダクトは生まれない
2.責任のない開発では良い製品を創れない
- それなりに開発力のあるエンジニアでも勝手に良い製品を作ってくれるわけではなく、指揮が必要である。
3.プロダクトマネージャーのフィードバックなしで、開発は製品にこだわりを持ちづらい
4.プロダクトはターゲットを狭め、小さくつくることが何よりも大切
5.作った後に壊すのは難しいのでできるだけ創らない
6.作る前の設計に時間をもっとかける。課題収集と解決策の間でかなりクリエイティブジャンプする必要がある
7.フィードバックは社内ではなく、社外で豊富にもらう
8.余裕がないとあれこれ余計なものを作る。余計なものを作らないためには余裕が必要
- 余計なものは誰にも使われないもの
そのほかの新規事業の立ち上げ時に考えていたことはこちらに書いた。
個人
経営と執行の両刀での悩み
個人は、心境の変化が多い一年だった。新規事業を立ち上げるのは精神、肉体どちらもかなり消耗するものだ。物理的な時間をかけることと覚悟がないと立ち上がらない。
3年前にOffersを立ち上げた時も、起業からピボットして事業が見つけるまで疲弊していた。キャッシュカウな事業の上で、プロダクトで何かを成さなければならない。そうしなければ会社の未来はないし、Offersを立ち上げて全てを捨てて走ってきた。
事業を立ち上げていく中で、この3年 エンジニア、起業してからのPMの人生で関わったことがない職種とメンバーに向き合ってきた。採用や評価ラダーなども管轄職種は作ってきた。皆が働きやすく、結果を出しやすい状態を模索しながら走ってきた。
事業を引き継いで、2022年の1月から新規事業にフルコミットし、2023年の1月にベータローンチを控えている。事業部別組織の他に共通組織のDevelopmentも持つ。(厳密にはフルコミットと言いつつ、兼務)
経営をしながら事業のミクロ部分にまで目を光らせる必要があるので、変化に対応しながら成長しなければいけなかった。どちらも中途半端で、やり切れたとは思っていない。2023年はより経営として成長していきたい。
挑戦の責任と覚悟
事業戦略、方針でマルチプロダクトで挑むことになったが、スタートアップなので資本に恵まれているわけではない。
また、起業時ほどではないが人・金の制限がある中で次の会社の軸となる事業を見つけなければならない。時間的な制限もある、次のファイナンスやこれから先数年を見据えながら事業として成立させなければいけない。
余裕がない中で立ち上げる覚悟と責任がある。なので、精神とのバランスを見ながら進める必要があった。起業してから毎年何かしら起こる。社員から見ると怖いと感じるかもしれないが、会社としては毎年強くなっていっているし、精神が鍛えられている感覚がある。
今回の新規事業は、Offersとともにこれからの日本や世界でも必要だと心の底から信じてやっている。リリースしたらぜひ一度お使いいただきたい。
チャレンジへの感謝
CEOの鈴木さんから『田中を新規事業に集中させ、これがダメならoverflowで他にできる人はいない』声をもらい、チャレンジさせてもらっている。Offersを持ちつつ、新規事業をやり切らなければいけないと背負い込んでたので心が幾らか軽くなった。鈴木さんやOffersを支えてくれているメンバー、今新規事業を一緒に立ち上げているメンバーに感謝したい。
B Dash Camp 2022 福岡に参加した時にBASEの鶴岡さんが『株主の皆さんにプロダクトで挑戦する機会を与えていただいている』と言っていて、凄く共感した。資金調達で力をお借りしている株主の皆様へも感謝したい。
2023は飛躍の年に
年始に建てた個人の計画は50-75%の進捗だった。悔しい一年だった。
2023年は事業全般の仕組み化、周りをもっと生かして、経営としては一歩引きつつ、心に余裕を持っておく。そして、必要なところでアクションを行うように仕組みに力を割く。短期的な実行に頭を使わず、レバレッジが効くことに頭を使う。
経営ボードの増加、新規事業の仕込み(既に数十社に導入いただいている)が進み、2023年は徹底的に結果にこだわっていく年としている。メンバーも集まってきているのでメンバーの能力を引き出し、私も共に成長していきたい。