読了: 約 5 分

大小・受託、自社メディア開発問わず、多くの企業でプロデューサー・ディレクターという職種が存在していると思います。しかし、プロデューサー・ディレクターというのは、どういう職業なのか定義が曖昧で、曖昧になっているからこそ【それは怠慢では?】と見受けられてしまうなんてことも。

いろいろな職場で起こっているのではないでしょうか。
今回は、プロデューサーやディレクターの存在価値、
更にはディレクター不要論からグロースハッカーの必要性について書いておきたいと思います。

ディレクター・プロデューサーの存在価値・実力がわかりやすく二分化している

2593211489_80631dfcf9

プロデューサーやディレクターというのは事業戦略、企画、仕様策定、スケジュール管理、リリースしたものの数値分析、
ユーザーテストなど多岐に渡る業務があります。

大企業だと、ディレクターとプロデューサーが分かれており、大まかな事業戦略やサービス、B/S、P/Lなどをみるのがプロデューサーで、ディレクターは上記したもののそれ以外のすべてということがよくあります。

優秀なプロデューサーを、nanapi社の経営者でもありますが、nanapiのけんすうさんと定義すると組織をどうすべきか非常に考えやすい かと思います。

けんすう日記: http://blog.livedoor.jp/kensuu
nanapi: https://nanapi.jp/

photo credit: Survey Section Palette via photopin (license)

ディレクターの実情

Webディレクターの業務内容

ディレクターの実情は仕様策定も概略としてのワイヤーフレームなどはまとめられますが、
最終的に細かい点を詰めるのがエンジニアやデザイナーということは少なくありません。

また、スケジュールに関しても結局エンジニアなど実装する人たちが自分たちでコントロールしているケースが多く、スケジュール管理や仕様策定の部分の作業は実質作業者が担っていることが多いのです。

※上記は、大企業でメディア企業に限定しています。企業によって異なるかもしれませんが、名ばかりの職種になっているケースを危惧しており、最適な人材配置とはどうすれば良いのかという視点で書いております。

Webディレクターの強みとしたい部分

つまり、残った企画・数値分析の部分で、ディレクターは自分たちの存在価値を見出さなければなりません。
逆に、そこができていないディレクターはもはやディレクターとしての存在価値がないと言っても過言ではないでしょう。

すべてのディレクターをグロースハッカーに

最近では、グロースハッカーという言葉が一般にも普及してきており、
いつらかの企業で職種として募集されております。

グロースハッカーのように、経営にコミットする事業的な視点をもち、
それをサービスに反映するようにデータ分析、
サービス改善のポイントを探るというのが新時代のディレクターとして必要なスキル、
求められるスキルなのではないでしょうか。

私は、ディレクターという中途半端な職種は責任の所在や、
職業としてコミットすべき領域を曖昧にするので、
全員グロースハッカーとして、経営上必要なKPIを追う人とするべきだと考えています。

なぜグロースハッカーにする必要があるのか

Webディレクターの人件費が無駄

なぜ、ディレクターをグロースハッカーとする必要があるからかというと、
これまでのWeb制作やWebメディアというのは一巡して、Webでのマネタイズが難しくなってきており、
ディレクターを入れるコストで、作業者の人件費を下げると人材流出につながると考えている
から。

受託の製作会社の経営を例にとると、単純な受託制作な単価が下がってきており、
ディレクターの人件費がコストとして大きく響くから。

グロースハッカーの今後の価値

メディア企業でも、企画者・プロデューサー・ディレクターと職種を
分類すること自体がコストで、意味がなくなってきているから。

リクルート・ヤフー・DeNA・GREE・mixi・サイバーエージェントを中心として、ポータルサイト、掲示板サイト、ECサイト、スマートフォンコミュニティサービス、ソーシャルゲーム、直近ではキュレーションメディア・バイラルメディア、グノシーやスマートニュース等のニュースメディア、と、インターネットが普及してから多くのサイト・メディア、サービスが立ち上がってきました。

PC・ガラケー(フィーチャーフォン)時代からスマートフォン時代に移行し、ネイティブアプリという市場が新たにできましたが、ニーズを満たし始めたブラウザベースのサービスのマネタイズがだんだん難しくなってきているように感じます。
コスト圧縮の為に大企業でも、海外に開発拠点を移動して人件費を削減している現状もあります。

メディア企業においては、マネタイズできないようなメディアを乱立させるというのが難しくなってきている中で、ディレクターという職種にコストを割く必要があるのでしょうか。

※ソーシャルゲームのイベント運用などに関わるディレクターは少し異なりますが。

私はその分をエンジニアやデザイナーに還元し、数値の改善を担えるようなハイブリッドな人材を作っていくべきだと考えています。

海外のサービス開発における役割

以前私がジョインしていたプロジェクトにいた、カナダ人のフロント・サーバーともにできるエンジニアが「プロデューサー・ディレクター・プランナー」という職種はなんの為にあるんだ?
と聞いてきたことがありました。

海外では、役割も明確ではないから、上記のような職種がないと話していました。
だから、エンジニアやデザイナーも数値にコミットするし、給料も日本より高いというような構造になっている。

日本っぽいといえば日本ぽい職業だということがわかりますね。
良いサービスを作るのであれば、一職種の人間が関わる、関わらないでどのような変化が起こるのか。
長期的な視点に立って、このような細かい部分にも配慮する必要があると感じています。

まとめ

日本から、世界的な良いサービスを生み出す・そこまでいかないにしてしっかりマネタイズしたサービスを生み出すのであればまずはディレクターをグロースハッカーとして曖昧にしないことが大事なのではないかと考えています。

一部飛躍しているところがあるかもしれませんが、
ディレクターが本当にいるのか一度考えてみる時期なのかもしれません。

Webマーケッター・ディレクターであるなら必須の教科書

よくいるディレクターのレベルを超えて、グロースハッカーとなりたいなら絶対に読むべき書籍だと思います。
というか、確実に読んでおくべきです。読んでない人とは仕事をしたくないかもしれません。

photo credit: roll_3_07 via photopin (license)