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2014年から2015年にかけて、幾つか買収の話しもあり、その後も多くのキュレーションメディアが乱立されました。今後はインバウンド産業を見据えたインバウンド型のメディア、大規模なキュレーションメディアでなく一部のジャンルに特化した、特に地方にセグメントしたメディアが多く出て来る事は間違いない(既に多くある)でしょう。
その上で、キュレーションメディアの肝であるテキストや動画を中心として記事を作成するのはどうやれば良いのか。テキストや動画のリンクを良い感じに入れるという編集をライターに依頼して、まとめ記事を乱立させる事である程度の規模を維持しているメディアが大多数な中で、ライターを募集して、運用してメディアに反映させて失敗した事、良かった事などを書いておきます。
概要
ライティングの経験がないWebライターをメディアの仕組みでカバーする
これは多くのキュレーションメディアが行っている事ですが、タイトル、文字数、内容・キーワード等を仕組み化して、そのテンプレート、入力欄を固定にすることでライティングの質を均一化するという仕組みづくりが一番重要になります。
雑誌等でライターをやっている人は、原稿の単価も1-2ページで1万~1万5千円というような単価でやっている人も多いのですが、Webメディアで、しかも認知度がないようなメディアで1記事その単価で、利益を出すためにコンテンツを創り続けるのはほぼ不可能だと思います。
なので、単価を抑えて、特定のジャンルにトラフィックを集めて、そこでマネタイズするというシンプルな仕組みなっていきます。
1記事500円というサイトも多いのは、マネタイズがしにくいので収益が黒字化するまでのランニングコストを抑える為というところが理由なのです。
仕組み化しないで依頼してしまうミスをすると…
メディアを運用して、幾つか記事を書いて来るとメディアの色や、方向性等が決まってきます。
それに合わせてライティングを量産するというのが基本的なスキームなのですが、仕組み化しないで依頼してしまうと編集にコストがかかり、基本的なWebライターは企画力もない場合が多いので、苦労します。
単純にキーワードを渡してこういう内容で書いて下さいという依頼がランサーズ、クラウドワークスの案件でも散見されますが、これは最初からコストを下げる意味があるので、こういう仕組み化しておくと良いと思います。
ライターの管理は細かく行う
優秀なライターは、エクセルなどで個人のスキルを管理すると良いでしょう。
バズるようなライターを育成する、インセンティブでモチベーションをコントロールする、
安い単価でも時間をかけてしまうならば戻しが少ない単価でライターを雇うギリギリのラインを探る。
この辺りは、運用しながらチューニングしていく所かと思います。
ライターを20人マネジメントして良かった点
上記して来たような基本的なスキームが出来たら、愚直にそれを実行し続けるだけで何の面白みもないビジネスモデルなのですが、起業せずに経営を肌で学べたことが良い点でした。今では多くの企業がキュレーションメディアのASP等を使って、低単価でどんどんコンテンツを創ってきていますが、1年半前はそこまで多くはありませんでした。
資本を入れない判断と、大企業が入って来て悔しい経験
初速3ヶ月程度で30万PVを突破し、上昇傾向だったメディアでしたが、競合の参入が多くなり、検索キーワードでの寄せ方によって、上位だったワードが下がり、結果としてトラフィックが下がっていきました。
最初に張っていた市場で捲られるのは非常に悔しい経験でしたが、多額の資本を持っている大企業がキュレーションメディアに乗り込んだ場合、ベンチャー企業レベル、個人レベルで質量を担保するのが非常に難しいということを肌で体感しました。
その御陰で、特に、採用面、育成、これからの組織づくり、自分が持つスキルとこれから必要になるであろうマーケティング、エンジニアリング等のスキル、様々な点から大きな財産になり、今新しいビジネスの種になっています。
また、資本を入れずにライターやマーケティング、開発にと独りでやっていたのでリソースが回らなくなっていたのも問題でした。この辺りはビジネスモデルや領域、エグジットをしっかり見据えて最適な判断を早く行うことが大事で、反省すべき点になりました。
今後のメディアについて
今後のメディアは、暮らしに役立つ情報を提供しているキュレーションメディアのiemoの村田マリCEOが呟いていた通り国語力、テキストでの差別化は難しい時代になるでしょう。芸能人の感動秘話等を編集して、トラフィックを集めるサイトがありますが、これは息が長く続きません。何故なら、差別化が難しく、必要とされ続けるコンテンツではないからです。
久し振りに長文を書きました。 “これからのメディアは国語力だけでは勝ち抜けない” https://t.co/cx6al9O2dk
— Mary Murata (@mary_ctrl_plus) 2015, 6月 25
Googleがこういうコンテンツを時間が経ても評価し続けるかどうかは現時点ではわかりませんが、セグメントとしてはwikipediaのようになるかもしれませんが、これが未来永劫続く様なビジネスではない事は分かるかと思います。
10年位前にあったワードサラダという自動的にテキストを集計してコンテンツを創るシステムがありましたが、機械学習でシステムを創る事が出来れば、あたかも人間が創ったような温度感のあるテキストやコンテンツを創る事が可能かと思います。詰まる所、国語力やテキストでの差別化は難しくなるので結果、仕組み化が早くマーケティングの強いところが勝つのではないでしょうか。
この辺りは、FacebookがSNSとしては後発であったのにも関わらず、今では2014年9月に10億人を超えているという所に共通するのではないでしょうか。
Plag**のように拡散性に特化し、キュレーションされたライトなテキスト・動画・画像情報を共有するというようなものが海外では伸びているように、ある一定の熱狂的なファンを持つ情報を配信し、心理的なフックを抑えたものは今後面白いのかもしれませんね。
以上、戯れ言でした。