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WEBメディアやアプリの新卒プランナーが多くの企業に入社してくると思います。自分が所属している企業でも育成方針があるのですが、大枠は研修等で学んで、メディアやアプリという性質上、あとはユーザーに向き合う事が重要です。 そういう中での新卒プロデューサーの育成について色々な育て方があるなと考えたのでメモ。
概要
最初の2,3ヶ月は出来ない事を学ばせる
会社の研修の方針等は一切無視したものになっています。
25歳ですが、ここ3年程新卒の育成に近い所で携わる事があったので、その時の学びを書いていきます。
営業の育成とプロデューサーの育成は異なる
新卒の営業なら対クライアントのため自然に礼儀作法は磨かれていきます。
これは座学やちょっとしたワークでは身に付かないものなので、研修だけで出来るというのはあり得ないと思います。ですから、プロデューサーとはいえ礼儀作法は大事なので考え方等のフレームワークも徹底的に教えていきます。
思考力を鍛えること
最初は先輩に付いて知らない事を吸収して行く事が大切ですが、早くから自分の頭で考えさせるというのが大切です。
コピーのようにこれをやれ、あれをやれという指示をしていると指示待ちの人になり、他の事も自分で提案出来るようにします!と意気込んでも中々難しいのが現実です。
ですから、徹底的に自分の頭で考えさせ、自分は出来ないんだという事を教え込みます。
もしかしたらこれは最近の世代によるのかもしれませんが、根拠のない自信だけで乗り切ろうという人がいます。イキの良いといったらそうなのですが、それだけでは成立しないというのを教えた方が吸収力が上がります。
数値を見る目を教える
WEBメディア・アプリの場合、色々な数値を見なければなりません。
ソーシャルアプリであれば、一人当たりの売上や利益、単純なメディアであれば、PV、売上、利益等運営するサービスの性質にもよりますが、数値を見る目というのはどこにいっても大切です。
サービスのKPIが何か
当然サービスの目標によっても異なりますが、その数値になっている根拠。
PVであればDAU、回遊率、新規獲得等起因するものを更に分解して数値をより具体的に落とし込んでそれに対する施策、ユーザーはどういう人がいるのかを詳細に分析していきます。
数値は嘘をつかないので、ユーザーと自分たちを繋ぐものは数値だという事を考えてチューニングして行く必要があります。勿論そこには非言語であるデザインも入って来るので一概に数値だけというのは難しい所もありますが、デザインに関してもABテストや複合テストを用いて自分のサービスを使っている人はどういう色を好んで居るのか一般論でなく、自分たちにカスタマイズされたソースが必要になります。
数値から施策へ逆算
逆算して数値からやるべきステップに落とし込んでいくのは非常に大切で最初は難しいかもしれませんが、新卒には数値の根拠を常に問い続けて行くと考える力が養われます。
数値だけではなくコミュニケーション力・信頼を得ることが大事
逆に新卒のプロデューサーやディレクターの方はこの辺りの数値を見る力を養う事が出来れば、エンジニアやデザイナーからの信頼を得る事が出来、一緒に伸ばして行こうという気にさせる事が出来るでしょう。
プロデューサーやディレクターの仕事は、チームを円滑に進められるようにするという点と、数字を作るというのが大切になります。なので、チームからの信頼を得るという根本の所を抑える事が大切です。
常に市場からの評価を意識させる、意識してもらう
運良く大企業に入ったからといって、安全とは限らないという言説が結構ありますが、それは一部その通りです。
その一部というのが、大企業に入って一生そこで企業と一緒に共にするというのなら良いのですが、大体IT企業に入った場合そこに10年居る事は稀です。
ですからほとんどの場合は他の企業に転職するか、自分で起業するというのが多いでしょう。その場合大切な事は大企業という名刺や盾がなくても自分で戦って行ける戦力があるかどうかです。
ここでドラクエやファイナルファンタジーで例えてみる
ドラクエだと自分が如何に弱くても戦闘に携わっていれば勝手に経験値が貰え、その結果レベルアップしていきます。ですから自分の所属するチームが強ければ強い程自分が何もしなくても成果が上がって行き、レベルもアップするので達成感があります。
しかし、現実世界はどうでしょうか?例えばチームで何かメディアを創っているとして、周りのおかげで成果を残したとしてもそれは企業や各個人(デザイナーやエンジニア)の成果であるという事です。
勿論企画した物があたったなどプランナー、プロデューサー、ディレクターとしての評価もありますが、社内だけの評価になってしまいがちです。ですから社外のプランナー、プロデューサー、ディレクターはどういった人間がいて、スキルセットはどういったものがあるのか。
エンジニア・デザイナーあがりの猛者もいる
エンジニアやデザイナーあがりのプランナー、プロデューサー、ディレクターはそれに付随するスキルを更に持っていますから新卒からの単純なプランナー、プロデューサー、ディレクターとは異なります。それだけその市場では強いという事にもなりますしそういった人と最初からの人たちは戦わなくてはなりません。
なので、自分の強みや弱みを常に再確認しつつ自分の市場での評価を考えて、上げて行く事が更に強い自分を作るでしょう。
私自身30人程度の会社に最初に入って、大企業に転職しましたが、ベンチャーから大企業はいけない、逆なら可能と言われていたのですが、成し遂げられてその時に常に市場からの評価を考えてスキルアップをしていました。自分が何をしたいかにもよりますが、意識しておいた方が良いでしょう。
人事であれば、ずっと会社でパフォーマンスを発揮して欲しいというのはあると思いますが、人生は人の数だけあります。残ってくれる事に越した事はありませんが、きちんと出るまでにパフォーマンスを出してもらって、他に行ったとしてもまた戻ってくれる、何らかの形でビジネスを一緒にすれば良いだけの話しなのです。
だから、こういった所を意識してもらいつつ育てるのはその人の人生を考えてするべきだと思います。