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Web、ホームページ制作のツール(CMS)が増えて、一般に普及しており安価に、ある程度誰にでも制作を出来るようになってきました。更にクラウドソーシングサービスの成長で、フリーランス等の小さなチームに低単価で仕事を依頼するという流れがここ2年位あると実感しています。この流れはより進んでいくのではないかと思いますが、Web・ホームページ制作の競争優位性はどこになるのか、どこを伸ばすべきでどういう組織形成、受発注の仕組みを作るべきなのか考えてみます。
概要
クラウドソーシングサービスによって価格が低下している?
ランサーズやクラウドワークスという発注者と受注する会社もしくは個人を繋ぐサービスが増えてきていますが、クラウドソーシングする事によって、価格を抑えて発注する事が出来るため全体の価格が下がっていきます。
Webで発注するにはハードルが高い…という人もかなり少なくなってきており、『Webの事がわからないけど、教えて頂いて発注したい』という人もいるのです。しかし、そういう方は大概予算が低い人ですね。
毛色はWeb制作とは異なりますが、こういったサービスも今後のインバウンドビジネス領域においては重要になってくるのではないでしょうか。
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Web・ホームページ制作の競争優位性は
Web・ホームページ制作における競争優位性は価格(安さ)、スピード、デザイン、技術力の2つを満たすものだと考えています。どこか一つだけではWeb・ホームページ制作という市場ではかなり難しくなってきます。具体的にはどういう事か少し分けてみたいと思います。
価格を強みにした場合
価格だけでは、無料のツールを使って簡単にサイトを作れてしまいますし、とりあえずサイトを持ちたいという人のニーズは満たせます。オウンドメディア作成サービス等も充実してきている事から、価格を強みにすると長期的にかなり厳しくなってきます。まだ現状では良いかもしれませんが、1年後とかは怖いですね。
スピードを強みにした場合
スピードに関しても無料と若干被りますがここも広告が入っていても構わなければそういうツールが山ほどあります。クオリティを高ければ別ですが、スピードを単純に強みにしただけだと、クライアントも理解力が上がっているのでしっかりビジネスに生きるサイトを求めているので難しくなるでしょう。
デザインを強みにした場合
以前書いた記事のようにそれだけではビジネスの競争優位性を担保出来ないと考えています。グラフィックデザインは別かもしれませんが、ことWebにおいてはデザインを実現するための技術というのが必須になります。なので、デザインだけでも単価の高い案件はやってこず、結果として継続して行く事が難しいのではないでしょうか。
技術力を強みにした場合
当たり前ですが高い事に越した事はありません。技術が高ければ高い程表現できる幅が広がるのですが、これをビジネスに繋げていくというところで、デザインが必ず必要になってきます。機能はいいけど見た目が使い難い、気持悪いというケースは往々にしてあります。ですから、単純に技術力が高いだけでも継続していくことは厳しいという事もあります。
上記を踏まえると、どれかひとつだけでは競争優位性は担保できず、かならず2点の強みが必要になるのではないかと考えています。
スピードと価格を強みにするとジリ貧になる
この2つも強みになりますが、これを強みにするとテクノロジーの進化のスピードを考えると確実にジリ貧になります。スピードも、価格も抑えられるようになるからです。
2013年のデータなのでこれよりもっと増えていて、恐らく60%~程度にはなっていてもおかしくはないと思いますが参考までに。
豪Q-Success社が運営するリサーチサービスW3Techsのレポートによると、2013年7月1日現在、Webサイト全体の中でCMSを搭載したサイトの占める割合は約32%となっています。
拡張性の高いCMSが出て来た場合、市場が確実に変わります。広告・プロモーション寄りの案件の場合には複雑性が高いのでCMSには不向きですが、単純なホームページの場合CMSが導入されていってメンテナンスコストも低いので、あまり技術力・デザイン力がないとどんどん淘汰されていくのではないでしょうか。
デザイン×技術力がキモ
via:http://letters-inc.jp/
詰まる所、デザイン・技術力を中心に伸ばしつつ、収益の中心になるようなビジネスを運営していかないと厳しいのではないでしょうか。こういう企業にLetters.inc、チームラボ、カヤック等がありますが、デザイン+技術力だけでも成功しているという企業は少ないのです。チームラボはWebだけでなく、リアルのイベントでのプロダクト開発、企画から入っています。時代はすでにWeb完結の時代ではなくなっているのかもしれませんね。
まとめ
単純なWeb・ホームページ制作の仕組みや市場はテクノロジーの進化と共に大きく変わる市場であり、その市場での競争優位性をつぶさに確認し、自社・自分のデザインやテクノロジーの力を常に磨いて行く必要がありますね。