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読了: 約 9 分

インターネット業界に携わる方であれば、ネットサービスで世界で使われるサービスにしたい、サービスを伸ばして企業に売却したい、大企業から日本発のサービスを創りたい、など様々なモチベーションでサービスを開発をしているのではないだろうか。 多くの企業や個人が様々なサービスを運営する中で、サービスを企画・開発してグロースさせていくには ・どういう組織がそもそも伸びるサービスを創れるのか・考えられるのか ・なぜDeNA、GREE、サイバーエージェントなどの大手IT企業のチームからは何故日本・世界で使われるサービス(勿論ゲームを創るというのも凄いが今回はソーシャルゲームを除く)が出て来ないのか という疑問を抱いたので今回のブログを書いている。

目次

・メルカリとMERYを運営するペロリのチーム ・メルカリやMERYの凄い点 ・流行るサービスの基本的な潮流の考え方 ・なぜ大企業から日本を代表する、多くのユーザーに使われるサービスが出て来ないのか

メルカリとMERYを運営するペロリのチーム

IT業界にいて、株式会社メルカリの代表取締役山田進太郎さんと株式会社ペロリで女性向けキュレーションメディアの先駆け『MERY』を運営している中川綾太郎さんを知らない人がいるとしたら、インターネット業界で特にネットサービスを運営しても勝てない、と言っても過言ではない。勝つという言葉の定義が難しいが、ここでは、10億円以上での売却もしくは2000万UU以上のサービスの運営、それ相応の事を行なっている人や組織という定義にしておきたいと思う。 メルカリの山田進太郎さんは大学時代から多くのネットサービスを運営して、『まちつく』や『フォト蔵』を運営するウノウをFacebookでソーシャルゲームが非常に伸びていたZingaに十数億円で売却。その後世界へ旅に出た後にメルカリをリリース。リリースから2年が経過して2,000万ダウンロードで、月間の流通総額は数十億円、総流通額も60億円を突破しているようだ。

山田氏は、「在庫を持つ一般的なECとフリマを同じように考えるかは別として」と前置きしつつ「トランザクションで言えば、楽天、Amazon、ヤフオクというグループがあって、次にあるZOZOTOWNなどがある。その次のグループくらいにはなっている」と語る。 http://jp.techcrunch.com/2015/02/02/20150202mercari/

住まいに特化したまとめサイト「iemo」を手がけるiemoと、女性向けファッションのまとめサイト「MERY」を運営するペロリの2社を合わせて約50億円で買収

メルカリやMERYの優れている点

メルカリについて

メルカリ・MERYのインターネット好き・かつ組織的に優れている点が他社のサービスを運営組織やヒトより圧倒的に勝っている点がある。メルカリは、山田さんを筆頭に、元mixi取締役CFOの小泉さんをはじめ、世界で4000万ダウンロードされたDECOPIC運営のコミュニティファクトリー代表で、Yahoo!Japanにコミュニティファクトリーを事業売却、そのままYahoo!Japanでサービス周りを見ていた松本さんが、今はメルカリを運営しているコウゾウ社(ソウゾウという子会社にて)新規サービスを開発している。また、サイブリッジという幾つかの自社メディアを運営しつつ、メディアのM&Aをしているベンチャー企業の元副社長の濱田さんなど多くの『昔からネットサービス畑』にいたヒトが揃っている。

MERYについて

中川綾太郎さん(起業当時24歳)という絶対的な社長を中心として、20歳の2名で運営が開始されたそうだが、この2名も元々自分でサービスのデザインや開発を行なっていたそうだ。この創業当時からMERYに居るメンバーでUIデザインを担当しているTwitterID(@ari_kou)さんは昨今のSEO業界で一番注目されている人物である。 もし、SEO業界にいてMERYや@ari_kouさんを知らないという方がいたら、かなり遅れを取っていると考えるのがよいだろう。MERYチームは元々インターネットにどっぷり浸かっていて、コミュニケーションがTwitterで良くなされているのが普通の企業では考え難い事である。 普通は企業の中のヒトとは、ソーシャルメディアでは繋がりたくないと考えるであろうが、MERYチームは息を吸うかの如く、インターネットを楽しんでいて、浸かっている。筆者はお会いした事はないが、創っているサービスを見ると、ネットサービスへの知見が深く、早いことが分かる。 この『昔からネットサービスに触れていて、潮流を分かっていること、ネットサービスを日常的に当たり前に使っていること』が如何に大事か、なぜ大企業が資本を投下しても勝てないのかという答えがこの辺りにあるのではないかと私は考えている。

ネットサービスの潮流を知る事の意味

GoogleやYahooのような検索エンジンが出来て、多くのウェブサイトが出来て来た。 その後、サイト内で多くの情報を取り扱うポータルサイト・掲示板サイトが乱立、インターネットでも物を買う時代が来て、ebay・Amazon、日本だとモバオク・ヤフオクを中心としてECサイトや、日本ではmixiを代表とするコミュニケーションサービスが普及。 その後、コミュニティサービスの伸びとともに、mixi、GREE、DeNAのmobageなどプラットフォーム内で楽しめるソーシャルゲームが一気に市場を創る。ソーシャルゲーム市場は、スマートフォンの普及とともに更に拡大する。また、Twitter,facebookを中心としたソーシャルメディアが一気になくてはならないものになり、位置情報などを用いた高度化したサイトやアプリが増えて来ている。 現在では、キュレーションメディア、バイラルメディアという情報量が多くなってきた時代に『まとめ』ることによって、ユーザーに情報を届け易くするメディアが乱立、金融やヘルスケア領域のサービスが徐々に増えて来ている。一方バーティカル型のサービスが増えて、特にバーティカル型のCGM飲食系のCookpadやRettyなどのサービスが伸びている。Cookpadは一部有料会員サービスにする事で、月間のべ5644万人、プレミアム会員の売上のみだと47.23億円(2015年12月期第三四半期)となっている。 スクリーンショット 2015-11-07 22.55.23 参考:https://cf.cpcdn.com/info/assets/wp-content/uploads/20151106205441/2015123Qj.pdf バイラルメディアは、ソーシャルメディアに成長に則した形で普及したメディア。このような一連のネットサービスの流れを分かるヒト達は分かっている。ネットで次に何が必要になるのか、どういう事が起こって行くのかが。つまるところ、他のプレイヤーよりも早くその市場に立つ事が出来、組織力で他を圧倒していくことが出来る。これが潮流を知る事の意味である。

流行るサービスの基本的な潮流の考え方

基本的な潮流の考え方は、リアルにあるもののネットサービスへのリプレイスというのがある。例えば、手紙のやり取りがメールの交換に変わった様に、様々なものがネットサービスに置き換わってきている。 MERYは『雑誌のリプレイス』という所をコンセプトとして、雑誌が発行部数が落ちて廃刊になる雑誌もある中、雑誌の読者以上の圧倒的なUUとPV(ページビュー)を誇っている。ネットサービスを始める上で大切な事は、既存の市場をリプレイス出来るタイミングがいつか、そしてそれを如何に早く行なうかが重要になってくるのである。 単純に思いついたものをサービスとして運営して、多くのユーザーに使ってもらう、このサービスはまだないから使って開発してみようというだけでは甘く、クローズされるケースが多い。マーケットの規模と潮流を把握して、適切なタイミングでパドリングを開始しなければ、波に乗る事は確実に不可能なのである。

現在来ているネットサービスの波

現在だと、不動産領域、動画サービス領域、2020年の東京オリンピックもある中でのインバウンド(訪日)サービス領域、ヘルスケア領域、フィンテックと呼ばれる金融領域といったところがホットになってきている。

不動産業界の波

スクリーンショット 2015-11-07 23.01.47 不動産業界だと、対面で紹介していた不動産情報がポータルサイトで簡単に見られるようになったのは相当前からリクルートのSUUMOやHome’s等が行なっているが、最近ではコンシェルジュのような形で1対1で不動産屋の方とコミュニケーションが取れて、評価出来るiettyの様なサービスが増えて来ている。 また、賃貸不動産業界だけでなく、売買の業界もビックデータを用いて不動産情報をネットで掲載にする事でオーナーがマンションを売り易くなったり、ユーザーが投資するのを効率化するというサービスも出来てきている。リブセンスのイエシルというサービスが先行しているが、ヤフー不動産など更に多くのプレイヤーが参入してくることが想定される。 https://www.ieshil.com/

動画サービスの波

netflix 動画サービスは、様々な形で既に普及しているが特にこれまでテレビ番組はテレビ局やその制作会社が作成して、民放やスカパー、携帯メーカーが独自で番組を制作したもの等のように限られてきた。そこにHuluやNetflixといったサービスが出て来た事によって、簡単にかつ比較的安価に多くの番組・映画・アニメに触れる事が可能になった。 スマートフォン・タブレット、ネットに接続されたテレビからであればどこでも簡単に閲覧する事が可能になったのはテレビ局が出来なかった革命ではないだろうか。 これまでも自社のサイトなどで放送されたテレビ番組を掲載する事が出来たはずだが、Youtube・ニコニコ動画、ツイキャス等の動画を閲覧し、時間を費やす環境が増えている中で、ユーザーは本当に求めているコンテンツに時間を費やす事が明確になってきた。テレビ局各局ともに視聴率の低下をしている中で、フジテレビはNetflix、HuluはTBSから日テレと組み独自の番組を制作するなどこれまでの業界の番組制作の流れも変化してきている。 テレビ番組を無料で掲載している掲示板サービスが途絶えないのが潜在的なニーズがあったという事の証明なのであるが、それをきちんと権利関係を調整・整備した形でサービスとして古い業界をリプレイスしていくという分かり易いケースである。 Hulu: Huluサイト

なぜ大企業から日本を代表する・多くのユーザーに使われるサービスが出て来ないのか

4415428060_f0b5eca473 筆者の考えている仮説が2つある。1つは、ネットサービスの知見のある社員がおらず、居たとしても起業して自分で行なう。もう一つは、改善スピードや改善に対するモチベーション・評価制度の仕組みの複雑さ。これについて詳細に考えてみたい。

1つ目のネットサービスに知見のある社員がいないという点について

ビジネスモデルコンテスト、起業コンテンツ等企画を会社に提案して起業するか、もしくはサービスを立ち上げるという会社は多くあるが、底から生まれたサービスで著名なものになっているものはほとんどないのではないだろうか。あるとすればLINEが著名な所。しかし、LINEの場合はチャットサービスとして、後発であるのでケースとしては非常にレアで再現性の難しいところがある。これについては立ち上げからLINEの組織事情やサービスがスケールするまでの過程を知らないのでここでは避けることとする。 ネットサービスに知見のある社員がいたとしても、現在のように資金調達がし易く、起業が多くなってきているという市場環境の中で会社で雇われ社長をするメリットが少ない。こういった環境が知見のある社員がおらず、大企業から生まれない要因になっているのではないだろうか。

改善・評価制度・モチベーションについて

大企業の小さなチームで、サービスが立ち上げられるケースは少なくないので改善のスピードは早いように思われる。しかし、会社にもよるかもしれないがデプロイは週に1.2回程度というのが幾つかの会社に聞いたところの話しだ。サービス運営における大切なポイントは初期の改善スピードとそのサイクル・組織をいかに創るかという所だ。ここが遅くなればなるほど、入って来たユーザーが定着せず、新規のユーザーを集めて行くのが難しくなって来る。 また、評価制度やモチベーションに関しては、大企業だと評価制度を柔軟に変更することは難しい。開発しているサービスの短期的な評価が難しいかつ自分の会社でないサービスがどれだけ成功したとしてもリターンは評価制度を創っている会社に委ねられているという複雑な環境でのモチベーション維持は非常に困難ではないだろうか。 勿論、開発してリリースしただけでは評価できないという点では、会社の大小は関係ないのだが、その先のそれが成功した時に対するリターンが少ないのはモチベーションに繋がらないのは分かり易い。こういう状態の中では、チームのマネジメントも複雑化しチームを同じ意識の中で目標に向かってサービスをグロースさせていくというのは難しいのではないだろうか。 上述しているLINE社に関しては、会社化したところが分岐点になっているかもしれないが評価制度等どのようにして開発陣をマネージメントしてきたのか非常に興味深い点が多い。

終わりに

今回メルカリやMERYについて自分が知っている情報をまとめているので間違っている点もあるかもしれないが、考えをまとめてみると勝つサービスを創る為には優れた組織とインセンティブ設計が大切だという事が改めて分かった。 また、潮流を捉えるというのには確実にセンスが必要で、元々ネットサービスが好きか海外のサービスを含めて相当勉強していないと難しく、後発サービスだとバーティカル型になって市場自体が小さい中で戦う事になり、それではサービスを持続するだけの売上が立たずクローズするという流れに成るので最初からしっかり準備をしておくことが大事だと思う。 今波が来ている領域で今からプレイヤーになるのは難しいかもしれないが、サービスの開発者として私も市場で勝負できるサービスが創れるように努力したいと思う。 出典: Rams!!

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